部分矯正とは
部分矯正とは、治したい部分だけに矯正装置をつけて歯並びを改善する矯正歯科治療です。矯正歯科治療は、一般的に、歯列全体(歯並び全体)を対象に行います。費用をあまりかけたくない、短い治療期間で治療を終わらせたい方のための治療です。
部分矯正の特徴
1. 治療期間が短い
前歯のガタガタや少しの隙間など、部分的に治療を行うため、矯正歯科治療の期間は短くてすみます。
2. 費用が安い
前歯だけの矯正歯科治療など、部分的な治療になるため、治療費は安く抑えることができます。
部分矯正の注意点
1. 適応症例がある
隙間が多い症例は、全ての隙間を閉じることができない場合があり、残った隙間をプラスチックやセラミックで隙間を閉じることがあります。
2. 全体的な咬み合わせの改善ができない
部分的な矯正歯科治療になるため、咬み合わせを改善することができません。
無料初診相談で部分矯正治療が可能なのか、患者さまに応じたご説明をします。
部分矯正と全体矯正(通常の矯正歯科治療)との違い
使用する矯正装置 | 費用 | |
部分矯正 | 前歯の6本に装置をつける | 20〜35万円 |
全体矯正 | すべての歯に装置をつける | 60~100万円 |
表を見ても分かるように、部分矯正の方がリーズナブルです。費用を抑えて、歯並びをきれいにすることができますので、ほとんどの方が部分矯正を希望されます。しかし、部分矯正は「できる人と、できない人」がいます。
矯正歯科治療の目的は、2つあります。1つは、歯並びをきれいにすること。2つ目は、しっかりと口腔機能(ちゃんと物を噛める機能)を獲得することです。安く、歯並びをきれいにしたい気持ちは分かりますが、部分矯正を行うにあたり、2つ目の口腔機能を無視して、部分矯正を行うと、本来持っている大切なお口の失ってしまうので注意が必要です。
つまり、「部分矯正ができない人」とは、部分矯正では口腔機能を失ってしまう可能性がある方のことをいいます。
部分矯正と審美歯科との違い
「短期間、低価格で前歯の歯並びがきれいになる矯正」という内容で、「審美歯科」が紹介されていることがあります。審美歯科は、部分矯正とは異なるものです。部分矯正と審美歯科の違いをまとめると以下になります。
使用する矯正装置 | 費用 | 治療期間 | 特徴 | |
部分矯正 | 前歯の6本に装置をつける | 10~40万円 (前歯の6本が対象) |
6か月~1年 | 歯を動かして、歯並びをきれいにする |
審美歯科 | 矯正の装置は使用しない | 5~15万円 (1本当たり) |
1回 | 人口の歯(かぶせ物)を入れて、歯並びをきれいにする |
審美歯科による歯並びの改善を検討する際に注意すべき3つのこと
1. 費用
費用について、5~15万円(1本当たり)と案内されていて、お得感を感じる方も多いですが、実際は1本ではなく、数本必要である場合があります。
2. 健康な歯への負荷
審美歯科では、人口の歯を被せるために、今ある健康な歯を削る必要があります。また、(歯軸に対して)不自然な角度で人口の歯を被せてしまうと本来かかることのない負担が歯にかかります。結果、その歯は将来抜けやすくなってしまいます。
3. 口腔機能の確保
1~2本の審美歯科治療では、全体のかみ合わせを考慮するのが難しいケースが多いです。矯正歯科治療によって、かみ合わせまで考慮された場合、隙間がなく、しっかりと噛み、口腔機能を確保されています。
部分矯正ができないと言われた方も一度ご相談ください
部分矯正を希望して、他の歯科医院に相談に行ったが断られたという方が多くいらっしゃいます。確かに、部分矯正は「できる人・できない人」がいます。特に、上顎前突(でっぱ)の方は部分矯正を行うことができない可能性が非常に高いです。
部分矯正が(適応)できない人とは、一言でいうと、歯列に対して歯を動かしていく余分なスペースがない方です。デコボコの歯並びをきれいにしていくには、1本1本の歯を動かして、歯をきれいに並べますが、歯を動かす先にスペースがなければ歯を動かすことはできません。
そのような方の場合、IPR(歯を1㎜程度削る)という処置をして、歯を動かすスペースを作る方法もあります。
また、歯列全体を横に広げて、歯を動かすスペースを作る方法もあります。
当院では、これらの方法も用いながら、患者さまにとって何が一番幸せなのかを相談しながら、治療方法を決定していきます。相談は無料になっていますので、お気軽にご相談ください。