二子玉川ステーションビル矯正・歯科のブログ


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道具の説明をしながらひとりでじっとしながら治療を受けられるのは、早くて3歳代、多くのお子さんは4歳代でしょうか。

言葉の発達、理解力が3、4歳の時期に増してくるからです。歯科治療でさまざまな音の出る機械やライトの光など刺激がいっぱいです。年齢により恐れの対象は変化していきますが、低年齢では大きな音など聴覚刺激、次いで光などの視覚刺激、就学前後になると想像に基づく恐れが顕著になってきます。

では、実際の治療や健診の時にはどのようにするのでしょうか?

少し専門的になりますが行動療法的手法を用います。代表的な方法として①tell-show-do法(TSD法)、②10カウント法、③モデリング法、④トークンエコノミー法、⑤系統的脱感作法などがあります。

 

①、TSD法は、これからどのようなことをどのようにするかをわかりやすく説明する(tell)、用いる器材を示し使い方をみせる(show)、鏡を用いて子どもにみてもらいながら器材を用いて説明したことをしてみる(do)ことです。

できたら褒めます。例えば健診に際しては、デンタルミラーをみせて鏡でみることを伝えます。鏡は痛くないことを説明し触ってもらったりします。

実際にお口の中を診ているところを鏡でみせて上手にできたら褒めます。探針という針状の器具がありますが、これを使ってむし歯を探ったり、歯垢を取り除いたりする場合も同じです。探針で触ることを伝えます。痛くないことを伝えます。手を出してもらい爪を触ってみます。痛くないことが理解させます。実際に歯を触ってみます。できたら褒めます。

②、10カウント法は、1~10までの数を数えられる子どもに用いる方法で忍耐を要する状況で10カウントをおこなうことで、忍耐を要する時間的な有限性を示すことで心理的に落ち着かせたり不安や恐怖を軽減することができます。できたら褒めます。

③、モデリング法は模範的な行動を観察させ、同じように行動させる方法です。年長のきょうだいや同年齢の上手にできる子の様子をみせたりして、恐怖心や不安を抱いている子どもに同じような行動がとれるように促します。

④、トークンエコノミー法は、あらかじめ決められた行動ができたらトークン(代用貨幣)が渡され物と交換できる仕組みです。

小児歯科では治療後のご褒美がこれにあたります。泣いたり騒いだ子どもでもその子なりに治療を頑張っていたのですから、治療後にトークンを与えます。

⑤、系統的脱感作法とは弱い刺激から徐々に慣らし強い刺激でも大丈夫にする方法です。いきなり口を触られるに抵抗を示す子どももいます。手を触ったり口から離れたりするところから徐々に慣らしていきます。

これはご家庭でもできることなので、口を触られることに慣れていると診察、治療する上でも助かります。

 

そのほかにも不快な刺激がない環境にする刺激統制法、例えば削る道具や診療器材をキャビネットに収納するのもそのひとつです。行動変容法とは別に鎮痛減痛法として笑気鎮静法があります。低濃度の笑気と高濃度の酸素を鼻マスクから吸入することで、治療に伴う不快刺激や疼痛への感受性を低下させて不安や緊張の緩和をさせて鎮静状態を得る方法です。

不安や恐怖心が強く、鼻呼吸するようにという指示が理解できて従うことのできる子どもが対象になります。嘔吐反射の強い子にも有効です。当院は笑気鎮静法の器機があります。

 

このほかにも聴覚減痛法(オーディオアナルゲジア)という方法があります。歯科治療時の切削音やバキュームの吸引音など不快な音刺激が多く発生します。これらの音を遮るためにヘッドフォンやイヤホンを用いて子どもの好きな音楽や物語を聴かせる方法です。携帯音楽プレーヤーなどご持参されれば対応いたします。

行動療法的手法とは異なりますが、アイ(私)メッセージやミラーリングなどの心理学的手法を用いることもあります。

1,2歳の低年齢児はむし歯であれば進行抑制剤の塗布など応急処置になります。

初めての歯医者さんがむし歯治療では子どもにとっても精神的負担が大きいので、低年齢から定期健診やフッ素塗布などで診療室に慣れていただくのがいいと思います

最後に、保護者の方が無意識に歯医者さんは怖いところだと植えつけている場合があります。むし歯になったら治療が痛いとか、言うこときかないと歯医者さんで注射してもらおうとか、暗示にかかった子どもの治療は大変です。

また、保護者の方もお子さんの初めての治療は不安がいっぱいだと思いますが、保護者の不安が表に出てしまうと子どもも不安になってしまいます。肝っ玉母さんのように頑張ってらっしゃいと送り出して見守ってあげてくださいね。

 

二子玉川ステーションビル矯正・歯科

高見澤